Winter count 2020
2020-02-17
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2020年、アメリカ・フェニックス近くで行われたウィンターカウント2020に参加してきました。
ウィンターカウントとは、原始的なものづくりや知識(マッチを使わない火の起こし方や、動物の革を使った靴の作り方など)を教えたり学ぶために集まるイベントで一週間行われます。 結論から言えば、また是非参加したい。とくに子供との参加がおすすめです。
人間の手作業には暖かさやストーリーがあり、身につける喜びや、ものを大切にする幸せを再認識できる
手作業には歴史があり、祖先が行っていた原始的な方法を体験することにより、自分のルーツについて考察したくなる
自分で手を動かす喜びを実感できる
身の回りに生えている植物や動物・自然現象を意識するようになる
イベント中は、約30人ほどのインストラクターが教えるいろんなクラスに参加することができます。
具体的なクラスは
鹿の毛皮を革に加工するクラス
マッチを使わないで火を起こすクラス
鉄をナイフにする鍛冶のクラス
石からナイフやハンマーを作るクラス
木のナイフを作ったり、ナイフを研ぎ方を習うクラス
羊毛からフェルトの帽子やカバンを作るクラス
陶器の皿やカップを作り焼くクラス
植物で箱や入れ物を作るクラス
弓矢を作ったり、弓矢の使い方を学ぶクラス
鹿を捌く方法を学ぶクラス
夜、星を見たり、朝、瞑想するクラス
など、多数。
クラスは、数時間のものもあれば、数日間、朝から夕方までのものもある。予約が必要なクラスもあれば、来る人全員が参加できるクラスもある。
1週間、全部に参加するチケットは大人一人600ドル。一日だけの参加もできます。今回は、家族全員で、一週間フルで参加。
場所はアリゾナフェニックス近くのフローレンスという街からくる車で30分の個人が所有する広大な土地で行われています。
ガソリンを、会場から一番近い街Florenceで満タンにし、1週間分の食料の買い物をしてから到着。敷地の入口に鉄の小さな看板で"The Boulders"と書いてあるのが目印。
1周間のスケジュール詳細や、ルール、おすすめの持ち物は、ページ一番下に記載。
到着後、登録を入り口で行い、テントを設置。
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テントの設置位置は、朝食、夕食を配給するメイン会場の近くが良いので、車でキャンプギアを積み下ろし、車は、歩いて5分離れた場所に駐車。イベント中、あまり車が目に入らないように、車を駐車する場所は、制限されていました。車の中でキャンプする人のために、敷地内の道路に駐車スペースが確保されていました。その駐車スペースも、メイン会場から、徒歩5分から10分ほど離れていました。
初日は、まず、全体のクラスをメイン会場のテントで確認。
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インストラクターがメイン会場に出店のようなものを出していて、人気のクラスは、予約を受け付けていました。この少年は、鴨の捌き方を教えるインストラクター。
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それぞれの紙に名前を書いて、クラスを予約するようになっていました。人気のあるクラスは、大体、初日に登録するシステム。
初日の午後に、開会式が行われました。原始的に火を起こして、開会式が開始。
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イベントのリーダーのジョシュアさんが、電気を使わずに、脚立の上に立って大声でスピーチ。参加者は約500人。
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朝食や夕食は、ほら貝でお知らせ。ホラ貝がなると、みんな、自分のキャンプテントや、車から、集まってきて、列を作ります。最初の配給のあと、ある程度時間が立ってから、おかわりの2回目のコール。またある程度時間が立ってから、後で食べたい人のために、タッパーに保存しておいてもいい3回目のコール。大体、2回目のコールで、すべての食事がなくなっていました。飲み物は、ティーが4種類ほど用意されていますが、1回目のコールで飲まないと、すぐになくなっていました。
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食後の食器洗いは4つのバケツで行う。皿についた食事を地面においてあるコンポストバケツに入れて、まずは、1番目のバケツで、簡単に汚れを落とす。2番めのバケツに石鹸水が入っていて、3番目と4番目のバケツできれいに洗う。500人が食器を洗うので、毎回、頻繁にスタッフがバケツの水を交換していました。夜は、まだ、肌寒く、熱湯を用意してくれていました。とても助かりました。
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イベント中に使用する薪。
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参加者も自由に使用していい薪なのですが、個人個人がキャンプファイヤーすると、すぐになくなってしまうので、僕たちは、キャンプファイヤーはしませんでした。イベントの中頃に、なるべく薪を使わないようにしましょうとスタッフがお願いしていました。
水はメインキャンプの脇に用意されていて数日に1度、タンクが満タンになっていました。
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メインキャンプ近くのタンクと呼ばれる窪地。それぞれのインストラクターがテントを貼り、クラスを行う。
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私達が、最初に参加したのは、ティピテントの設置方法を学ぶクラス。
インストラクターのアレンさんの指導のもと、ティピを設置。このティピは、イベント中、メンズロッジと呼ばれ、男の人達の悩みなどを話す場所になっていました。
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次に、参加したのは、バッファローの革を使った肩掛けカバンを作るクラス。一日のクラスですが、参加者は、ほぼ全員夢中になり、一日では終わらず、2、3日掛かっていました。インストラクターのジェイソンさんは、参加者に、時間があるときに、このテントに戻って来て、自由に作業していいって言ってました。
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作った革カバン。
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なるべく革が無駄にならないように、革を切ってカバンを制作。分厚い革は、バッファローの革。7−10オンスの厚さの革をカバン部分に使用。肩掛け部分は鹿の革。黒い革は、ジェイソンさんが自分で染めたもの。ウォールナットと錆びた釘を雨水につけた液体を10年以上保存しつつ使用していて、白い革は、1日つけて乾燥させたもの。黒い革は、1日つけて、数日乾かす工程を3回繰り返したもの。レースで使用しているものも鹿の革を細く切ったもの。
次に、ダニさんの食材の発酵のクラスに参加。
ケイトリンさん、ピーターさん、ブライアンさん、ジェニファーさんと参加。
最初に、菌についてのレクチャーがあり、発酵パンの生地を作ります。ダニさんが数日前に発酵させるために作ったパンのサワードウのスターター。
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このスターターに、小麦粉と水をまぜて、数日間、発酵させて、ダッチオーブンで焼いて食べました。とても美味しい。(焼き上がったパンの写真は、カメラの電源がなくなり、撮影できず)。
次に、ザワークラフトを作りました。
材料を切って、塩を適当にいれて、マッシャーで潰して、瓶に入れる。とても簡単。数日で、泡が出てきて、蓋をあけると、「ポン!」となる。
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キャットテイルの植物を使った子供の弓矢のおもちゃをつくるクラスに参加しました。Dick Baughさんのクラス。キャットテイルは、秋に収穫して、乾かし、ワークショップ一日前に、水につけて、柔らかくする。Dickさんは、サンフランシスコで活動するprimitieways.com のインストラクター。double overhead knot やslip knot を教わりました。
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このキャンプでは、子供連れの家族も参加しており、子供のためのアクティビティもたくさんあります。
中学生ぐらいの子供には、インストラクターと子どもたちだけで、すこし離れた場所までハイキングして、テントを張り、1日キャンプして、このメインキャンプに帰ってくる2日間のクラスがあります。
ほぼ毎日、数時間、キッズキャンプ(親が同伴しなければならない)があり、子どもたちに、自然に関する絵本を読んだり、工作や火の起こし方を教えたりするクラスがあります。砂道でもできるスケートボートの選手たちが敷地を訪れて子供たちにスケートボードを教えていました。
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キッズキャンプの最中に子供達が作ったマスク。
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木曜日の夜にキャンプファイヤーの周りを、マスクをかぶって踊るイベントがあるので、そのために作りました。
白樺の木の皮を使って箱を作るクラスに参加しました。インストラクターのTom Galazenさんは、ウィスコンシンの農家。
オフグリッドの家に1990年代から住んでいるとのこと。
Ann Rosenquistさんとウィスコンシンで農業をしていて、Annさんは、この写真の後ろの方に写っているキャンプファイヤーで、この木を皮を熱して、オイルを抽出していました。 https://doubledotdesign.gyazo.com/c3a33ce59e4a4f3ef9a13e349b368d81
完成した箱。結び目に使用している革の紐は、鹿の脳しょう(漿)鞣し革を紐のしたもの。
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瓜を使ってお皿を作るクラスに参加しました。子供たちも一緒に参加することができました。
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完成した皿。
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最終日にトムさんのクラスに参加しました。この授業はマッチやライターを使わないで火を起こすクラスです。
子供達も一緒に参加しました。
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夜はキャンプファイヤーに集まって、歌ったり、お話したり、自分のテントで休んだり、それぞれの過ごし方がありました。終盤の夜に、メインキャンプの近くにあるキャビンと言う場所で行われた音楽会に参加しました。子供たちはみんなの前で歌を披露しました。
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参加できなかったクラスも、おもしろそうなものばかりでした。
シカを、小さいナイフ一本で解体し、頂いた命をできるだけ多く使うことを学ぶクラスが人気。実際に鹿をしめるところから始まり、腸を使ったり、肉を捌いたり、革をなめしたり、固形油を抽出したり。3日間、毎日8時間のクラスですが、参加者は、みんな、真剣にメモを取っていました。写真は、吊るした鹿から、ナイフで肉を削いでいるところ。
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原始的な陶器を作るクラス。地面に20センチほどの穴を掘って、キャンプファイヤーで、炭を作って、その炭の中に、陶器を入れて、土をかぶせて一日待つという工程。この火の下に、大きな石を敷き詰めて、温度を高温に保つようになっています。写真は、作成した陶器を、最終日にキャンプファイヤーで焼いているところ。火の回りに陶器をおいて、すこし乾燥させています。この後、制作した陶器を炭の上におき、更に木を置いてその上に土をかぶせて、6時間ほど待っていました。
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羊の毛を使ったフェルトの帽子やカバンを作るクラスも人気でした。とても若いエイミーさんがインストラクター。イベントが進むにつれてフェルトの帽子をかぶる人が少しずつ増えていき、みんなとてもおしゃれ。僕たちも作りたかったのですが、人気があってクラスを受講することが出来ませんでした。写真は、カバンを形成しているところ。プラスチックの板を挟んでペタペタするだけですが、時間がかかります。羊毛は、一方向に伸ばして薄く面にしたものを、縦の層、横の層、縦の層のように3層重ねて、石鹸水を使ってペタペタ優しく押す。擦ると、擦った方向に縮んでしまうらしい。手袋を作ることもできて、手袋片手にウールが約80g必要。
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木曜日の夜は、マスクナイトというイベント。マスクをかぶりたい人は、マスクをかぶって、キャンプファイアヤーの周りをぐるぐる回って踊ります。マスクをかぶっている人は、少なかったのです、アフリカなどの原始的なデザイン(美術館のアフリカ地方のセクションで見るような原始的なマスク)もあり、とてもかっこよかったです。音楽はドラムのみ。数日まえから練習していたグループが太鼓を叩き、とれも盛り上がりました。
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最終日の夜は、比較的静か。暗くなる前に、全員でキャンプファイヤーに集まり、学んだ事、感じた事を共有し、最終日が終了。次の日の朝はティピの片付けを手伝ってイベント会場を後にしました。
スケジュール
Check-in、この時間だけゲートが開いてイベント会場に入場・退場ができる。
Sat 10am-6pm
Sun 9am-6pm
M-F 7:30am-6pm
Kids camp
毎日3-4時間
Feb 8 (Sat)
ゲート10時オープン
Feb 9 (sun)
12pm 講師が集まってクラスの説明をするので、どのクラスをとるか決める
この時間までに到着するようにする
人気のクラスは朝から、ウロウロしながら、インストラクターを見つけなければならない
2pm 開会式
4pm - 5:30pm ベーシッククラス
6pm 夕食
Feb 10(M)
朝 Kids camp オリエンテーション
7pm-9:30pm 夜の音楽(Cabin Porch)
Feb 11(T)
夜 (Dark 30) 物品交換
7pm-9:30pm 夜の音楽(Cabin Porch)
Feb 12(W)
5:15pm 寄付のための物販(インストラクターが持ち寄ったもの)
7pm-9:30pm 夜の音楽(Cabin Porch)
Feb 13(H)
2pm-6pm Barter Fair 物品交換・販売(だれでもブランケットを設置してよい)
夜 Mask Night 原始的なマスクをつけて、キャンプファイヤーの周りを踊りながらぐるぐる廻る。音楽はドラムのみ。ドラムチームは、火曜日、水曜日、木曜日の午後に数時間集まって練習していました。
Feb 14(F)
2pm-6pm Barter Fair 物品交換・販売(だれでもブランケットを設置してよい)
4pm 閉会式。普段は最終日の朝に行うようですが、早く帰る人が多かったので、この日の夕方に閉会式を行いました。
Feb 15(Sat)
8am 簡単な朝食が支給されて、そのあとは、個人個人でイベントを後にしていました。
日曜日まで、滞在するインストラクターもいれば、金曜日の夕方に、テントをしまって出発するインストラクターもいました。
ルール
アルコール、ドラッグ、拳銃禁止
火について
Fire panの上ではOK
すでにあるFire pit ではOK
薪はある程度支給されるが、たくさん燃やしたい人は自分で持ってくること
サイトの木を拾ってはいけない
ゴミ
生ごみはゴミ箱がある
生ごみ以外は、各自、持って帰る
リストバンドが支給される
食事引換券になる
クラスの登録に使用する
宿泊
テント、車内宿泊でもOK(ただしコンセントなし)
テント用の場所と、車用の場所がある
テント用の場所は、駐車場から離れている
朝食・夕食は支給
ただし、食器・フォークなどは無いので持参
テーブル・椅子もないので持参(イベント中、椅子を、メインキャンプに置きっぱなしにすることもできます)
持ち物
キャンプグッズ(1週間のテント生活。温度は、最低気温が0度下回ることがあるが、寝袋で問題なし。昼間は暑いので帽子は必要。)
ナイフ(ナイフが必要なクラスがある。子供もほとんどナイフ持参。)
ナイフ砥ぎ(あれば良い)
水ボトル(水は大きなタンクに常時飲料水がある)
楽器(特にドラム。ドラムを持っているひとは、ドラムチームに参加して、数日練習して、イベントで披露する夜がある)
料理&フード(朝と夜は、支給されるが、昼は各自準備するので、一週間の昼飯分とスナック。子供と一緒に参加する場合は、スナックが沢山必要。スナックを10袋以上持ってきている家族もいました。)
焚火の土台(地面の上で焚き木はできないので、鉄バケツのようなものがあればよいが、薪が限られていて、個人個人がみんな焚き木をすると薪がなくなってしまうので、必要なければ、いらない)
物品販売グッズ 物品トレードグッズ(物々交換や、販売するイベントがあるので、手作りで原始的なものを、持っていったほうがいい。地面の上で販売するので、みんなブランケットを持参して、自分の品物をブランケットの上に並べていました。)
現金(クラスによっては、別途材料費がいる。後は、インストラクターの手作業のいい品物も販売される。数百ドルあればよい)